8月2日付の『へラルド朝日』紙によると、ロンドン・
テロの1回目と2回目の関係も不明だという。つまり、こ
の2週間をあけた2つのテロの容疑者の間に関係があった
という証拠は、まだ見つかっていない。また、2事件の容
疑者の年齢が18~30歳と若いことから、彼らがアフガ
ニス夕ンのアルカイーダのキャンプ(2001年に破壊)で
訓練されたとはあまり考えられない。すると、爆弾製造とテ
ロの方法について学んだのは、英国内であった可能性が高く
なる。さらに「貧困がテロを生む」という仮説も、今回は適
用できないようだ。というのは、彼らは必すしも貧困層に属
していない。上記のオスマン容疑者の取調べで分かったこと
は、彼がテロを思い立ったのは、自分が通っていたジムで、
ムク夕ル・サイード・イブラヒム容疑者(27)から計画を
持ちかけられた、と供述していることだ。スポーツ・ジムに
通う青年は「貧困」とは言えないだろう。
ただ、「イスラム社会が西洋社会から攻撃を受けている」
という物の見方が、イスラム社会に一般に根強くあることが
今回の4件と関係しているように思う。自ら“西洋化”を選
んで推進し,た日本社会の内部からではよく分からないが、十
字軍やオスマン帝国、植民地支配を経験したイスラム圏の
国々では、このような見方の中での反発は、過激化する場合
があるのかもしれない。
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